『般若心経』に
「五蘊」という言葉があります。
ひとは
五つのモノやコトが
集まって
人間として
存在していることを
意味しています。
「五蘊」という言葉は、
『般若心経』に限らない
仏教での言葉のひとつですが、
いよいよ、
「般若心経」の本質を
語る言葉が
ここからつづくこともあって。
まず
この「五蘊」の意味を
おさえておきたいものです。
「五蘊」とは、
ひとをひととして成り立たせている
「色」、「受」、「想」、「行」、「識」の
五つの要素。
この「五蘊」のうち、
「色」だけが
肉体やその実体を表し、
ほかの四つは、
心、思考、感情を表しています。
ひとは、
肉体と心でできている
ということなのです。
自分の肉体と、まわりの世界、
「色」。
感じ、受け止めること、
「受」。
判断し、見極める、
「想」。
意思をもった心の判断、
「行」。
そして、
理解し、認める
「識」。
物質的存在としての
「色」と、
精神的作用としての
「受」、「想」、「行」、「識」。
このように
ひとを構成する要素を
分けて考えることで
これまで
見落としていた人間の本質が
見てくるのかもしれません。